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PSPNetとDeepLabの違いとは?セマンティックセグメンテーションの文脈理解モデルを徹底比較!

セマンティックセグメンテーションにおいて、「文脈理解」を重視した高精度モデルとして有名なのが PSPNetDeepLab です。どちらもグローバルな情報を取り入れることを目的としていますが、そのアプローチや構造には大きな違いがあります。この記事では、PSPNetとDeepLabの違いを中心に、それぞれの強み・弱み、向いているタスクについて詳しく解説します。


🧠 共通点:なぜ比較されるのか?

  • 両方とも 文脈理解(コンテキスト情報) を取り入れることを目的としている
  • CNNのベース(例:ResNet)を活用し、その出力に追加のモジュールを適用
  • 解像度を上げるためにアップサンプリングを行い、最終的なセグメンテーションマップを出力

つまり、「セグメンテーション精度を上げるにはどう文脈を捉えるか?」という同じ課題に対する、異なる解法を提供しているのがこの2つです。


🧩 PSPNet:Pyramid Scene Parsing Network

PSPNetは2017年に登場したモデルで、文脈理解のために Pyramid Pooling Module(PPM) を導入しています。

🔸 仕組み:

  • 最後の特徴マップに対して、異なるスケールの平均プーリング(例:1×1、2×2、3×3、6×6)を実施
  • それぞれをアップサンプルして結合(concat)
  • ローカルとグローバルの情報を統合した特徴マップを得る

✅ 特徴:

  • グローバルな背景理解に強い
  • シンプルな構造で実装しやすい
  • プーリングを使うため空間解像度はやや失われやすい

🧪 DeepLab:Atrous Spatial Pyramid Pooling(ASPP)

DeepLabはGoogleが開発したモデルシリーズで、特に DeepLabV3/V3+ は非常に高精度なセマンティックセグメンテーションで知られています。

🔸 仕組み:

  • 拡張畳み込み(Atrous/Dilated Convolution)を複数の膨張率(dilation)で並列に適用
    • 例:dilation=1, 6, 12, 18
  • Global Average Poolingも組み合わせ、マルチスケールな視野を確保

✅ 特徴:

  • 空間的な解像度を保ったまま広い文脈情報を取り込める
  • 境界の精度が高い
  • DeepLabV3+ではエンコーダ・デコーダ構造も加わりさらに強力に

🔍 PSPNet vs DeepLab:違いの比較表

項目 PSPNet DeepLab(特にV3/V3+)
文脈処理の方法 Pyramid Pooling 拡張畳み込み(ASPP)
グローバル情報の取り込み 平均プーリング(明示的) 拡張畳み込み + GlobalAvgPool(暗黙的)
空間解像度の保持 弱め 強い
境界の精度 中程度 高精度
モデルの拡張性 限定的 非常に高い(V3+, MobileNet融合など)
学習済みモデルの豊富さ 多い(PyTorch Hub, TensorFlow Hubなど)

🎯 どちらを使うべき?

タスク・目的 オススメモデル
シンプルな構造でグローバル文脈を取り込みたい PSPNet
高解像度・高精度なセグメンテーションが必要 DeepLabV3+
実装・ファインチューニングの自由度が欲しい DeepLab

PSPNetは優れた背景認識が可能で、計算コストも抑えめですが、境界処理や柔軟性ではDeepLabがリードしています。


📝 まとめ

  • PSPNetは ピラミッド型のプーリングでマルチスケールな文脈を取り込む
  • DeepLabは 拡張畳み込み(ASPP) で文脈を広く、かつ空間精度を保って処理する
  • 境界処理やモデルの拡張性を求めるならDeepLabが強力

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