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U-NetとPSPNetの違いとは?セマンティックセグメンテーションの代表モデルを比較!

セマンティックセグメンテーションを学んでいると必ず出会う2つの代表的なモデルが U-NetPSPNet です。どちらも高い性能を誇りますが、それぞれ設計思想や得意な領域が異なります。本記事では、U-NetとPSPNetの違いを構造、処理の仕組み、得意なタスクなどの観点から比較・解説していきます。


🧠 文脈理解とは?

セグメンテーションにおける「文脈理解」とは、画像の中の各ピクセルを、周囲や全体の情報をもとに意味づける能力のことです。

たとえば:
- 一部だけを見れば「灰色の塊」でも、周囲の道路や建物との関係を見れば「車」と判断できる
- 木陰に隠れた歩行者を、全体の構造や背景から推定する

このように、局所的なパターンだけではわからない意味を、広い視野から推論する力が「文脈理解」と呼ばれます。

PSPNetはこの文脈理解を強く意識した設計になっており、広域な特徴を活用することで、より整合性のあるセグメンテーションを実現しています。


🔍 U-Netとは?

U-Netは2015年に医用画像解析のために開発されたモデルで、エンコーダ・デコーダ構造に加えて、スキップ接続を備えているのが特徴です。

  • エンコーダ(下り坂)で特徴を抽出し、
  • デコーダ(上り坂)で画像サイズを復元します。
  • 各段階でエンコーダの出力をスキップ接続でデコーダに渡すことで、空間情報を保ちます。

この構造により、精密な輪郭抽出や細かい構造の検出に強く、医療画像などで多用されています。


🧠 PSPNetとは?

PSPNet(Pyramid Scene Parsing Network)は、2017年に登場したモデルで、シーン全体の文脈情報(グローバルコンテキスト)を取り入れることに重点を置いています。

  • 主な特徴は、Pyramid Pooling Module(PPM) を使用して、
    • 画像の全体(グローバル)から局所(ローカル)まで複数のスケールで平均プーリングを行い、
    • 得られた特徴を統合することで文脈を理解します。

この構造により、PSPNetは広範囲な文脈理解や大きなオブジェクトの整合性確保に強く、都市景観などの解析に適しています。


🔄 U-NetとPSPNetの違いまとめ

項目 U-Net PSPNet
発表年 2015年 2017年
構造 エンコーダ + デコーダ + スキップ接続 エンコーダ + Pyramid Pooling Module
特徴強調 空間情報の保持 文脈情報の集約
得意なタスク 医療画像、微細構造の検出 シーン解析、大規模オブジェクトの認識
文脈理解 弱い 強い
出力の精密さ 境界がくっきりしている 全体的な一貫性がある

🧪 どちらを選べばいい?

あなたのタスクが… オススメモデル
小さな構造や境界を正確に検出したい U-Net
シーン全体の理解や文脈の一貫性が大事 PSPNet

それぞれのモデルはトレードオフがありますが、
- U-Netは“どこに何があるか”をピクセルレベルで細かく捉えるのが得意、
- PSPNetは“全体として何があるか”を判断する力に長けています。


📝 まとめ

  • U-NetとPSPNetはどちらもセマンティックセグメンテーションの定番モデル
  • U-Netは局所的な空間情報に強く、精密なマスク出力が得意
  • PSPNetは広域な文脈理解に優れ、シーン全体の一貫性が高い

自分のタスクにどちらの特性が向いているかを理解して、使い分けることが重要です。

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