Deepラーニングのメモです
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セマンティックセグメンテーションを学んでいると必ず出会う2つの代表的なモデルが U-Net と PSPNet です。どちらも高い性能を誇りますが、それぞれ設計思想や得意な領域が異なります。本記事では、U-NetとPSPNetの違いを構造、処理の仕組み、得意なタスクなどの観点から比較・解説していきます。
セグメンテーションにおける「文脈理解」とは、画像の中の各ピクセルを、周囲や全体の情報をもとに意味づける能力のことです。
たとえば:
- 一部だけを見れば「灰色の塊」でも、周囲の道路や建物との関係を見れば「車」と判断できる
- 木陰に隠れた歩行者を、全体の構造や背景から推定する
このように、局所的なパターンだけではわからない意味を、広い視野から推論する力が「文脈理解」と呼ばれます。
PSPNetはこの文脈理解を強く意識した設計になっており、広域な特徴を活用することで、より整合性のあるセグメンテーションを実現しています。
U-Netは2015年に医用画像解析のために開発されたモデルで、エンコーダ・デコーダ構造に加えて、スキップ接続を備えているのが特徴です。
この構造により、精密な輪郭抽出や細かい構造の検出に強く、医療画像などで多用されています。
PSPNet(Pyramid Scene Parsing Network)は、2017年に登場したモデルで、シーン全体の文脈情報(グローバルコンテキスト)を取り入れることに重点を置いています。
この構造により、PSPNetは広範囲な文脈理解や大きなオブジェクトの整合性確保に強く、都市景観などの解析に適しています。
項目 | U-Net | PSPNet |
---|---|---|
発表年 | 2015年 | 2017年 |
構造 | エンコーダ + デコーダ + スキップ接続 | エンコーダ + Pyramid Pooling Module |
特徴強調 | 空間情報の保持 | 文脈情報の集約 |
得意なタスク | 医療画像、微細構造の検出 | シーン解析、大規模オブジェクトの認識 |
文脈理解 | 弱い | 強い |
出力の精密さ | 境界がくっきりしている | 全体的な一貫性がある |
あなたのタスクが… | オススメモデル |
---|---|
小さな構造や境界を正確に検出したい | U-Net |
シーン全体の理解や文脈の一貫性が大事 | PSPNet |
それぞれのモデルはトレードオフがありますが、
- U-Netは“どこに何があるか”をピクセルレベルで細かく捉えるのが得意、
- PSPNetは“全体として何があるか”を判断する力に長けています。
自分のタスクにどちらの特性が向いているかを理解して、使い分けることが重要です。
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すぺぺぺ
本サイトの作成者。
プログラムは趣味と勉強を兼ねて、のんびり本サイトを作っています。
フレームワークはdjango。
ChatGPTで自動プログラム作成に取り組み中。
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