Denoとは

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DenoはNode.jsの後継なのか？

Denoは、ある意味でNode.jsの「後継」と言える部分もありますが、正確には「Node.jsの改善版」として作られた別のランタイムです。Denoは、Node.jsを作った開発者であるRyan Dahl氏が、Node.jsの限界や設計上の問題点を反省し、それらを解決するためにゼロから設計し直したランタイムです。以下の点でNode.jsとの違いがあり、後継というよりも「次世代の代替」と考えるのが適切です。

1. Node.jsの課題を解決するための設計

Ryan Dahl氏がDenoを作る際、Node.jsに対して以下のような課題があると述べました：

• セキュリティの問題: Node.jsでは、コードがデフォルトですべてのシステムリソース（ファイルシステム、ネットワークなど）にアクセスできるため、セキュリティが脆弱です。Denoでは、デフォルトでこれらのアクセスが禁止されており、必要な場合にのみ明示的に権限を与える設計になっています。

• モジュールシステムの問題: Node.jsではnpmを使ってパッケージを管理し、node_modulesという仕組みでモジュールをインストールしますが、これがしばしば依存関係の肥大化や脆弱性の原因になります。Denoでは、モジュールをURLから直接インポートすることで、node_modulesやpackage.jsonが不要になり、依存管理がよりシンプルです。

• 設計の一貫性: Node.jsは設計が進化してきた経緯から、古いAPIや慣習が残り、現在の開発の標準と合わない部分も多くなっています。Denoは、これらの問題を避けるために、モダンなJavaScript/TypeScriptの標準に準拠した設計がなされています。

2. Node.jsとDenoの共通点と違い

3. DenoはNode.jsの完全な代替ではない

DenoはNode.jsの設計上の問題点を解決しようとして作られたランタイムですが、完全にNode.jsの後継というわけではありません。例えば、Node.jsで動く既存のプロジェクトをそのままDenoに移行することは難しい場合が多く、またNode.jsのエコシステム（npm）で利用できる膨大な数のパッケージもそのまま使えるわけではありません。

そのため、DenoはあくまでNode.jsの欠点を克服した別の選択肢と考えた方が良いでしょう。もし新しいプロジェクトを立ち上げる際に、Denoの提供する特長が魅力的であれば、Denoを選ぶという選択肢が出てきますが、既存のNode.jsプロジェクトをDenoに完全移行するのは簡単ではありません。

4. Node.jsとDenoの共存

現状では、DenoとNode.jsは競合するというよりも、それぞれの特長を活かして共存しています。例えば、Node.jsのエコシステムを活かしたプロジェクトを作りつつ、セキュリティを強化したい特定の部分でDenoを使うという選択肢もありえます。

まとめ

DenoはNode.jsの後継と言うよりも、「Node.jsの問題点を解決した新しいランタイム」として開発されました。セキュリティ、モジュール管理、TypeScriptのサポートなど、多くの点で改善されていますが、完全にNode.jsの代替として使うにはエコシステムの整備が必要です。興味があれば、Denoを試してみて、どちらが自分のプロジェクトに適しているかを見極めると良いでしょう。