宇宙が始まる前は何があったのか?

宇宙が始まる前は何があったのか?という本のまとめ。

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第二章では、「宇宙の終末シナリオ」に焦点を当てています。この章では、宇宙の将来についての様々な理論とモデルが説明されており、それぞれが宇宙の最終的な運命にどのような影響を与えるかを探求しています。主な内容は以下の通りです。

開いた宇宙:
- 宇宙の密度が臨界密度よりも低い場合、宇宙は永遠に膨張し続けるとされる「開いた宇宙」のシナリオが説明されます。このモデルでは、宇宙の拡大は加速し続け、最終的にはすべての物質が遠く離れ、冷え切ってしまう「ビッグフリーズ」が起こる可能性があります。

閉じた宇宙:
- 宇宙の密度が臨界密度を超える場合、いずれ膨張が停止し、収縮を始める「閉じた宇宙」のシナリオが説明されます。この場合、宇宙は最終的に「ビッグクランチ」と呼ばれる点にすべてが収束し、高密度の状態に戻るとされています。

平坦な宇宙:
- 宇宙の密度がちょうど臨界密度である場合の「平坦な宇宙」のシナリオが考察されます。このモデルでは、宇宙の膨張は徐々に遅くなりますが、完全には止まらず、永遠にゆっくりと拡大し続けるとされています。

加速膨張する宇宙:
- 最近の観測により、宇宙の膨張が加速していることが示されています。この章では、暗黒エネルギーと呼ばれる未知のエネルギーがこの加速の原因とされており、その性質や将来についての理論が探求されています。

この章では、これらのシナリオがどのようにして宇宙の最終的な運命を形作るかについて詳細な説明と理論的背景が提供されています。それぞれのシナリオが持つ宇宙論的な意味と、それが私たちの宇宙観にどのような影響を与えるかについて考察が加えられています。

臨界密度って何?

臨界密度は宇宙論において非常に重要な概念で、宇宙がどのように膨張し続けるかを決定するための基準となる密度です。具体的には、宇宙の膨張が停止するかどうかを決める境界となる平均密度のことを指します。

臨界密度の定義と重要性

  • 定義: 臨界密度は、宇宙が平坦な幾何学を持つために必要な平均物質密度です。これは、宇宙が膨張を続けるか、あるいはいつか収縮を始めるかを分ける閾値となります。
  • 計算: 臨界密度は以下の式で計算されます。
    $$
    \rho_c = \frac{3H^2}{8\pi G}
    $$

ここで、(H) はハッブル定数(宇宙の膨張率)、(G) は万有引力定数です。

宇宙の運命との関係

  • 平坦な宇宙: 宇宙の平均密度が臨界密度に等しい場合、宇宙は「平坦」と見なされ、その膨張は永遠に続くが、速度は徐々に減速していきます。
  • 開いた宇宙: 宇宙の密度が臨界密度よりも低い場合、宇宙は「開いた」とされ、膨張は永遠に加速し続ける可能性があります。
  • 閉じた宇宙: 宇宙の密度が臨界密度を超える場合、宇宙は「閉じた」とされ、膨張がいずれ停止し、その後収縮を始めることになります。

現代宇宙論における意味

  • 最近の観測では、宇宙の密度が臨界密度に非常に近い、またはそれに等しいことが示唆されています。これは宇宙が大まかに平坦であることを意味し、現代の宇宙論モデルではこの事実が重要な役割を果たしています。
  • 暗黒エネルギーの発見により、宇宙の膨張が加速していることが明らかになり、これが臨界密度とどのように関連しているのか、さらなる研究が進められています。

臨界密度は宇宙の全体的な構造と未来に対する理解において中心的な概念であり、宇宙論の研究における基本的な要素の一つです。

暗黒エネルギーって何?

暗黒エネルギーは、宇宙の膨張を加速させると考えられている未知のエネルギー形態です。1990年代後半に遠方の超新星の観測を通じて発見され、宇宙の膨張が予想されていたよりも加速していることが示されました。この発見は宇宙論に大きな変革をもたらしました。

暗黒エネルギーの特性と重要性

  • 反発力: 暗黒エネルギーは、宇宙の膨張を促進する反発力を持つとされています。これは重力が物質を引きつける効果とは反対に作用し、宇宙の拡大を加速させます。
  • エネルギー密度: 暗黒エネルギーは宇宙全体に均一に分布していると考えられ、宇宙の総エネルギー密度の約70%を占めると推定されています。これに対して、通常の物質(バリオン物質)と暗黒物質は残りの30%を分け合っています。

理論的説明

  • 宇宙定数: アインシュタインが一般相対性理論に導入した宇宙定数は、暗黒エネルギーの最も単純な形態と見なされることがあります。宇宙定数は空間そのもののエネルギー密度であり、その値が正であれば宇宙の膨張を加速させる効果があります。
  • クインテッセンス: 宇宙定数以外にも、時間とともにその強度が変化する可能性のある動的なエネルギー場、クインテッセンスと呼ばれる理論が提案されています。この場は宇宙の歴史の異なる時期に異なる強度を持ち、宇宙の膨張に異なる影響を与える可能性があります。

観測と今後の課題

  • 超新星: 遠方のIa型超新星を標準光源として使用し、宇宙の膨張速度を測定することで暗黒エネルギーの影響が推測されます。これらの観測は、宇宙が加速膨張していることを示す重要な証拠となっています。
  • 宇宙マイクロ波背景放射: CMBの詳細な測定は、宇宙の大規模な構造と初期条件に関する情報を提供し、暗黒エネルギーの性質についての手がかりを与えます。

暗黒エネルギーは今日の物理学において最も謎に満ちた要素の一つであり、その正体と宇宙における役割を解明することは現代宇宙論の中心的な課題です。

宇宙が始まる前は何があったのか?

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