宇宙が始まる前は何があったのか?

宇宙が始まる前は何があったのか?という本のまとめ。

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第一章「始まりの一秒」では、ビッグバン直後の宇宙がどのような状態にあったのかについて、詳細に掘り下げられています。以下はその具体的な内容です:

  1. 初期宇宙の状態:
    宇宙が誕生した瞬間、非常に高温で密度の高い状態から始まりました。この時点での温度は約百億度と推測されており、主にプラズマの状態で、陽子と中性子が自由に存在していました。

  2. 素粒子の反応:
    高温の宇宙では、陽子と中性子が互いに激しく衝突し、結合してヘリウムなどの軽い元素が形成される過程が始まります。このプロセスは核融合と呼ばれ、宇宙の初期における元素合成の基礎を築きました。

  3. 冷却と膨張:
    ビッグバンからの時間が経過するにつれて、宇宙は徐々に冷却し、膨張を続けました。これにより、プラズマは次第に中性の原子へと組み替えられ、宇宙の透明度が増し、光が自由に運動できるようになりました。

  4. 宇宙背景放射:
    宇宙の冷却が進むと、放出された光は現在宇宙マイクロ波背景放射として観測されます。この背景放射は、宇宙が非常に均一な状態から始まったことを示す重要な証拠となっています。

  5. 理論的背景と観測データ:
    ビッグバンモデルは、宇宙の膨張、宇宙背景放射の発見、および初期宇宙における元素の豊富さに基づいて構築されました。このモデルは、観測データと理論の一致から、現代科学における宇宙起源の理解の基盤を形成しています。

この章では、宇宙の最も初期の瞬間を再現し理解するための科学的試みが詳述され、現代宇宙論の基本的な枠組みが提供されています。この理論的枠組みは、さらなる詳細な観測と実験によって補強され続けています。

プラズマって何ですか?

プラズマとは、電気を帯びた粒子、つまりイオンと自由電子が多数含まれる状態の気体を指します。プラズマは物質の第四の状態とも呼ばれ、固体、液体、気体に続く状態です。通常の気体と異なり、プラズマは高度にイオン化されているため、電磁場に対して非常に敏感で、電気を通す性質があります。

プラズマの例としては、太陽や他の恒星、雷の中の空気、ネオンサイン、プラズマテレビの画面などがあります。太陽などの恒星の内部では、極めて高い温度で原子が電子を失い、プラズマ状態となっています。この状態の物質は、エネルギーの放出や吸収を通じて光や熱を発生させ、星の光として私たちの目に届きます。

プラズマは非常に一般的な状態で、宇宙の可視物質の大部分はプラズマ状態にあります。地球の大気の一部や、特定の工業プロセス中にもプラズマが生成されます。

宇宙背景放射って何ですか?

宇宙背景放射(Cosmic Microwave Background, CMB)は、宇宙が生まれた直後の状態からの情報を今に伝える貴重な観測データです。これは宇宙の初期状態の光が冷えてマイクロ波の形で今も宇宙中に広がっているもので、ビッグバンから約138億年前にさかのぼる情報を持っています。以下に、宇宙背景放射についての詳細をいくつか説明します。

  1. 発見の経緯
    宇宙背景放射は1965年にアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンによって偶然発見されました。彼らはベル研究所で通信衛星の実験中に、全方向から等しく受信されるノイズの原因を調査していたところ、そのノイズが宇宙からのマイクロ波放射であることを突き止めました。

  2. 特性と重要性
    宇宙背景放射は非常に均一な温度を持っていますが、その温度にはわずかなゆらぎ(約1部10万の差)が存在します。これらのゆらぎは宇宙初期の密度の違いを表しており、これが銀河や大規模構造の種となったと考えられています。CMBの平均温度は約2.725K(ケルビン)です。この温度の測定は、宇宙の基本的な性質や年齢、組成を理解するのに不可欠です。

  3. 宇宙の組成と進化の手がかり
    宇宙背景放射の詳細な測定から、宇宙がどのようにしてその現在の状態に至ったか、また宇宙に含まれる物質やエネルギーの割合を推定することができます。例えば、宇宙の普通の物質(バリオン)、暗黒物質、暗黒エネルギーの割合が推測されています。

  4. 研究の進展
    宇宙背景放射の研究は技術の進歩とともに大きく進展し、より高解像度での観測が可能になっています。特に、COBE、WMAP、Planckといった衛星ミッションは、宇宙背景放射の精密なマップを作成し、宇宙論モデルの精度を飛躍的に向上させました。

  5. 理論との一致
    宇宙背景放射の観測結果はビッグバン理論と非常によく一致しており、ビッグバンからの膨張宇宙モデルが正しいことの強力な証拠とされています。

このように、宇宙背景放射は宇宙の初期状態を理解し、宇宙全体の歴史を解明するための非常に重要な手がかりとなっています。

どうして初期の状態からの熱放射の名残を今も観測できるの?

初期の状態からの熱放射の名残である宇宙背景放射(Cosmic Microwave Background, CMB)を今も観測できる理由は、宇宙の特性とビッグバン理論に基づく宇宙の膨張の結果によります。以下にその理由を詳しく説明します:

  1. 宇宙の膨張:
    ビッグバンからの宇宙の膨張は、当初非常に高温で高エネルギー状態だった宇宙が時間とともに冷えて膨張する過程です。この膨張によって、初期の熱放射が宇宙全体に広がりました。光(電磁波)が自由に移動できるようになったのは、宇宙が冷えて電子が原子核と結合し、透明な状態になった「再結合」と呼ばれる時期(ビッグバンから約38万年後)以降です。

  2. レッドシフト:
    宇宙の膨張に伴い、放出された光(電磁波)はレッドシフト現象によって波長が伸びます。つまり、光の波長が長くなり、エネルギーが低くなるため、可視光線からマイクロ波の範囲へと移動しました。これが現在、宇宙背景放射としてマイクロ波の形で観測される理由です。

  3. 均一性と等方性:
    宇宙背景放射は、宇宙全体に非常に均一に分布しています。これは宇宙が大きく膨張する前の初期状態が非常に均一であったことを示しています。宇宙のどの方向を見てもCMBが観測できるのは、この放射が宇宙のあらゆる点から等しく放出されたためです。

  4. 持続性:
    CMBは、宇宙の年齢に相当する約138億年前から存在しています。宇宙空間は非常に広大であり、この放射が消失するメカニズムが存在しないため、一度放出された放射はずっと宇宙空間を伝播し続けます。

これらの理由により、初期宇宙の状態からの熱放射の名残を、現代の高度な検出技術を用いて今も観測することができるのです。

レッドシフトってドップラー効果の性で波長が伸びているということ?

はい、その通りです。レッドシフトは、ドップラー効果の一種であり、観測者から遠ざかる光源からの光が長い波長、つまり赤い方向へとシフトする現象を指します。宇宙の文脈でのレッドシフトは、宇宙の膨張によって引き起こされます。

ドップラー効果の基本

ドップラー効果は、音波や光波などの波が発する源と観測者の相対的な運動によって波長が変化する現象です。例えば、サイレンを鳴らしながら近づく救急車は高い音程で聞こえ、遠ざかるときは低い音程で聞こえます。これは音波の波長がそれぞれ短くなったり、長くなったりするためです。

宇宙のレッドシフト

宇宙のレッドシフトでは、光が発せられた後に、宇宙の膨張によって空間自体が広がるため、光の波長が伸びます。この現象は、光が発せられる星や銀河が我々から物理的に「動いている」わけではなく、宇宙の膨張によって光を運んでいる空間自体が広がっているために起こります。

観測上の影響

レッドシフトは天文学で非常に重要なツールとなっており、遠くの銀河や天体の距離を推定する手段として用いられます。光がより長い波長、すなわちより「赤く」見えるほど、その光源はより速く我々から遠ざかっていると解釈されます。これにより、宇宙の膨張率や、遠い天体までの距離を測定することが可能になります。

このように、レッドシフトは宇宙のダイナミクスを理解するための非常に重要な現象であり、宇宙の年齢、構造、進化を研究する上で欠かせない要素となっています。

今はビッグバンが起きてから大体138憶年ときいています。それなのに、いまだにその光が見えるのはどうしてなんですか?

宇宙背景放射がビッグバンから約38万年後に放出され、現在まで約138億年経過した後でもなお観測できる理由には、以下の要素が関わっています。

  1. 光の持続性:
    光(電磁波)は、空間を通過する際に自然に消失することはありません。宇宙空間は非常に空虚であるため、光が星や他の物質に吸収または散乱される機会が非常に少ないです。したがって、一度放出された光は、障害物に遮られることなく非常に長い距離を進むことができます。

  2. 宇宙の膨張:
    宇宙が膨張しているため、初期の熱放射が発生した後、放出された光の波長は徐々に伸び、マイクロ波の範囲にまでシフトしました(レッドシフト)。このため、宇宙背景放射はマイクロ波として地球上から観測されています。

  3. 光の速度と宇宙のサイズ:
    光速は一定(約30万キロメートル/秒)で、宇宙の広がりは非常に大きいです。ビッグバンから放出された光は、今もなお宇宙の遠方から届いています。宇宙の各地点で放出された光が全方向に向かって伝播しているため、我々は常にどこかからその光を受け取ることができます。

  4. 観測技術の進化:
    近代の観測技術によって、非常に微弱な電磁波でも検出することが可能になりました。これにより、宇宙の初期の状態からの熱放射、つまり宇宙背景放射を現在でも詳細に観測することができます。

これらの理由から、ビッグバンから数十億年経過した現在でも、宇宙の初期の状態を示す宇宙背景放射を観測することが可能です。この放射は宇宙の進化や構造について貴重な情報を提供しており、宇宙論の研究において非常に重要な役割を果たしています。

密度の揺らぎがどうして星や銀河が形成される種になったのですか?

宇宙背景放射における微小な温度変動が示す初期宇宙の密度のゆらぎが、星や銀河の形成の「種」となった理由は、物理的には重力による物質の凝集に関連しています。以下にそのプロセスを簡単に説明します。

1. 初期の密度ゆらぎ

宇宙が膨張して冷える過程で、元々非常に均一だった物質の密度に微小なゆらぎが存在しました。これらの密度ゆらぎは、一部の領域が他の領域よりもわずかに高い密度を持っていたことを意味します。このようなゆらぎは宇宙背景放射の温度分布に小さな変動として現れ、これを精密に測定することで、初期宇宙の密度分布の詳細を推定することができます。

2. 重力の影響

密度が高い領域では、重力による引力が周囲の領域よりも強く作用します。この結果、周囲からさらに多くの物質がその領域に引き寄せられ、密度はさらに高まります。このプロセスは重力不安定性と呼ばれ、物質が徐々に集まっていく自己重力の効果によって加速されます。

3. 構造の成長

初期の小さな密度ゆらぎから、時間が経つにつれて物質が集積し、最終的にはガス雲、星、そして銀河といった大規模な構造が形成されます。これらの構造の形成は、密度が高い領域が自らの重力で周囲のガスを引きつけ、それがさらに重力収縮を起こすというプロセスを繰り返すことで進行します。

4. 星と銀河の誕生

重力による収縮が進むと、ガス雲内部の密度と温度が上昇し、核融合反応が始まる条件が整います。これが星の誕生です。さらに、これらの星が集まって銀河を形成し、銀河同士が集まって銀河団や超銀河団を形成することになります。

このように、宇宙背景放射に見られる微小な温度のゆらぎは、宇宙の大規模構造の起源を理解するための重要な手がかりとなっており、現代宇宙論における重要な研究分野の一つです。

ビッグバンの理論を作った人は誰ですか?

ビッグバン理論の概念を初めて提唱したのは、ベルギーの司祭であり物理学者のジョルジュ・ルメートルです。1927年にルメートルは、宇宙が膨張しているという考えを科学的に発表しました。彼の理論は、アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論に基づいており、「原始原子」と呼ばれる極めて高温で高密度の状態から宇宙が始まったというアイデアを提案しました。

ルメートルのアイデアは、後にエドウィン・ハッブルによる銀河の後退速度の観測により支持され、これが宇宙の膨張を示す証拠となりました。この発見により、宇宙が静的でなく、膨張しているというビジョンが広まり、現在のビッグバン理論へと発展しました。

ルメートルのこの理論は、時間が経つにつれて多くの観測データによって裏付けられ、現代宇宙論の基本的な枠組みとして受け入れられています。

1927年はどんな時代でしたか?ビッグバン理論を知った世界はどう変わりましたか?

1927年は、科学、文化、政治が大きく変化していた時代です。科学の分野では、量子物理学が飛躍的に発展していました。特に、ヴェルナー・ハイゼンベルクによる不確定性原理が発表され、物理学の基礎が根本から見直されることになりました。また、この年にはソルヴェー会議が開かれ、アインシュタイン、ボーア、シュレーディンガーといった多くの著名な科学者が集まり、量子力学について活発な議論が行われました。

ビッグバン理論の影響

ジョルジュ・ルメートルが1927年に提唱したビッグバン理論は、当時の宇宙論に革命をもたらしました。その時点では、多くの科学者や哲学者が宇宙は永遠に存在し、変わらないものと考えていました(定常宇宙論)。ルメートルの理論が示唆する宇宙の始まりという概念は、宇宙が有限の過去を持ち、始まりがあったという全く新しい視点を提供しました。

ルメートルのアイデアはすぐに広く受け入れられたわけではありませんが、1931年にエドウィン・ハッブルが宇宙の膨張を観測的に確認し、その結果がビッグバン理論の有力な支持となりました。ハッブルの発見により、宇宙が拡大していることが示され、ビッグバン理論は徐々に受け入れられるようになりました。

ビッグバン理論の受け入れが進むにつれ、科学者たちは宇宙の年齢、構造、そして進化についてより深く理解することができるようになりました。この理論は宇宙の背景放射の発見(1965年)や宇宙の大規模構造の観測によってさらに裏付けられ、現代宇宙学の基本的な枠組みとして確立されています。

総じて、ビッグバン理論は科学だけでなく、私たちの宇宙に対する哲学的、宗教的な理解にも影響を与え、宇宙の起源についての私たちの見方を根本的に変えるものでした。

宗教の人は怒ったりしなかった?

ビッグバン理論が提唱された当時、宗教界の反応は一様ではありませんでした。理論が示唆する宇宙に始まりがあるという考えは、一部の宗教的観点からは歓迎される側面もありましたが、一方で科学が創造の神秘を解明しようとすることに対して懐疑的または敵対的な反応を示す宗教家もいました。

歓迎する側面

  • 創造の概念との一致: 特にアブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)では、宇宙に始まりがあったというビッグバン理論の概念が、創造の教義と調和すると考えられることがありました。ビッグバン理論が提唱する「始まりの瞬間」は、これらの宗教における神による創造の瞬間と解釈される余地があったからです。
  • 宇宙の秩序: 宇宙が法則に基づいて形成されたという考え方は、神が秩序だった宇宙を創造したという信仰と合致すると考える宗教家もいました。

批判的な側面

  • 神の役割の否定: 他方で、宇宙の始まりを自然科学の法則で説明しようとする試みは、神の直接的な介入を否定するものと受け取られることがあり、これに反発を示す宗教家もいました。
  • 文字通りの解釈との対立: 特に創世記の記述を文字通りに受け取るような宗教観を持つ集団からは、宇宙が数十億年かけて自然発生的に形成されたという科学的見解が、聖書の教えと矛盾すると見なされ、反発があった場合もあります。

個別の反応

  • ジョルジュ・ルメートル自身が司祭であったことは、宗教と科学の対話の一例としてしばしば引用されます。彼は科学的発見が信仰と矛盾するものではなく、神の創造の理解を深める手段であると考えていました。

結果として、ビッグバン理論は宗教界においてもさまざまな反応を引き出し、今日でも宇宙の起源をめぐる科学と宗教の対話において重要なテーマの一つとなっています。この理論がもたらした影響は、科学だけでなく、文化的、哲学的な議論においても広範囲に及んでいます。

アインシュタインがビッグバン理論に関して犯したとされる「ミス」とは、彼が自らの一般相対性理論に「宇宙定数」(コスモロジカル・コンスタント)という項を導入したことです。この宇宙定数の導入は、当時広く信じられていた「静的な宇宙」のモデルを支持するために行われました。

宇宙定数の導入の背景

1917年にアインシュタインは一般相対性理論を公表し、その理論は重力が質量によって時空が曲がることを示していました。この理論に基づくと、宇宙は膨張あるいは収縮しているはずでしたが、当時の主流の考えは宇宙が静的で変化しないものだというものでした。アインシュタインはこの静的な宇宙モデルを数学的に保持するために、宇宙定数を導入し、その定数は宇宙の重力による収縮を打ち消す反発力として作用すると考えました。

アインシュタインの「ミス」

1929年にエドウィン・ハッブルが宇宙の膨張を観測的に証明した後、宇宙が実際には膨張していることが明らかになりました。これにより、静的な宇宙モデルは誤りであったこと、そして宇宙定数の導入は不要であったことが判明しました。アインシュタインは後に、宇宙定数を導入したことを「自分の人生最大の過ち」と述べたとされています。

現代科学における宇宙定数

面白いことに、20世紀末から21世紀にかけて宇宙の加速膨張が観測されたことから、宇宙定数(あるいはそれに類似したダークエネルギーの概念)が宇宙論の標準モデルに再び重要な役割を果たすようになりました。これは、宇宙定数がもはや「アインシュタインの過ち」とは見なされなくなり、宇宙のダイナミクスを説明するための重要な要素として現代宇宙論に組み込まれています。

アインシュタインの当初の「ミス」が、後に新たな科学的発見のキーとなるというのは、科学の進歩における興味深い逸話の一つです。

う~ん、難しい。ここまでの話を面白おかしく簡単にまとめて。

もちろんです!宇宙の始まりについての話を、もっと楽しく、もっとわかりやすくまとめてみましょう。

想像してみてください。全宇宙がぎゅっと一つの超超超小さな点にまとまっているところからスタートします。これがビッグバンのステージです。ある日(といっても時間もないんですが)、この小さな点が「もう我慢できない!」と叫んで、バーンと爆発しました。この瞬間が宇宙の誕生です!

この爆発で、宇宙はすごいスピードで広がり始めます。最初はすごく熱くて、何もかもが光っていました。これが宇宙が高温だった証拠ですね。そして、宇宙が冷えてくるにつれて、最初の元素が作られ始めます。水素とヘリウムが主な星の材料です。

冷えた後の宇宙は、ちょうどよく光が旅をすることができるようになり、この光が今私たちが「宇宙の背景放射」として観測しているものです。それは宇宙全体に広がっていて、ビッグバンの「おとずれ」を教えてくれています。

そして、この全ての話は、エドウィン・ハッブルという天文学者が遠くの銀河を見て、「おや、これらはみんな私たちから離れているぞ」と気づいたことから、科学的に裏付けられました。宇宙が広がっている証拠です。

以上、宇宙誕生の超大雑把なお話でした。星や銀河、時間や空間がドラマチックに展開する宇宙の大冒険、なかなか面白いでしょう?

ペンジアスとウィルソンの「鳩の糞」問題

もちろんです!宇宙論の歴史には、思わぬハプニングやユーモラスな失敗がいくつかあります。特にアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンの「鳩の糞」エピソードは、科学的な大発見がどのようにして時としておかしな状況から生まれるかを色鮮やかに示しています。

鳩との戦いが宇宙の謎を解明?

1960年代、二人の若き物理学者、ペンジアスとウィルソンが宇宙の大きな謎を解き明かすために大きなホーンアンテナを使っていました。彼らの目的は、宇宙の隅々からの微弱な信号をキャッチすること。でも、何かがおかしい。どうやら、アンテナには予期せぬノイズが…。

彼らが信号の源を突き止めようとしたところ、なんとアンテナには鳩が住み着いていました。しかも、鳩たちはアンテナを自分たちの快適な家として、思う存分に糞をしていたのです。ペンジアスとウィルソンは、このノイズが宇宙からのものではなく、ただの鳩の糞によるものだと確信しました。

さあ、ここで科学者たちの奮闘が始まります。彼らは鳩を追い出し、アンテナを徹底的に掃除。しかし、信号は消えません。どうやらこれはただのノイズではなく、何かもっと大きな意味を持つもののようです。

結局、この「ノイズ」が後に宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼ばれることになる宇宙の始まりの証拠だと判明しました。つまり、宇宙の誕生からのエコーを、彼らは鳩の糞と間違えていたのです!

この発見は、ペンジアスとウィルソンにノーベル賞をもたらしましたが、科学の世界では、時には鳩とその糞が歴史を変えることもあるという教訓も与えてくれました。いかが、この宇宙と鳩のドタバタ劇、なかなか面白いでしょう?

アインシュタインの話

もちろんです!アインシュタインの「最大の過ち」の話は、天才でさえも時には大きな間違いを犯すことがある、という完璧な例です。

アインシュタインと宇宙定数の失敗劇

20世紀初頭、アルベルト・アインシュタインがその名を世界に知らしめた一般相対性理論を発表しました。この理論では、宇宙は膨張したり収縮したりするものとして描かれていましたが、当時の流行(とアインシュタイン自身の信念)は「宇宙は永遠に静的で変わらない」というものでした。

天才であるアインシュタインも、これには少し困惑しました。「宇宙が膨張もしなければ収縮もしないなら、どうやってバランスを保っているんだろう?」と。そこで彼は、宇宙がずっと同じサイズで安定していられるようにするためのちょっとした工夫、「宇宙定数」(いわば押し引きの力のバランサー)を方程式に加えることにしました。

しかし、これが彼の「最大の過ち」に。1929年、エドウィン・ハッブルが宇宙の膨張を発見したとき、アインシュタインはそのニュースを聞いてがく然としました。宇宙が膨張しているという事実は、彼の宇宙定数が全くの無用の長物であることを意味していたのです。

その後、アインシュタインは宇宙定数を「自分の人生で最大の過ち」と公言しました。彼はこの余計な修正を取り消し、一般相対性理論の元の形に戻しました。皮肉なことに、宇宙定数は近年、宇宙の加速膨張を説明するために再び科学者たちの注目を集めています。

アインシュタインのこのエピソードは、天才でさえ完璧ではなく、科学は常に新たな証拠によって進化し続ける、ということを教えてくれます。それに、たとえミスをしても、それが後の大発見につながることもあるのですから、失敗もまた学びの一部と言えるでしょう。

ハッブルとスペクトルの誤解釈

エドウィン・ハッブルは宇宙の膨張を発見した天文学者ですが、彼の発見に至るまでの道のりは、ちょっとしたコメディドラマのようなものでした。彼の物語は、大発見が時に小さな誤解から生まれることを見事に示しています。

ハッブルと神秘のスペクトル

1920年代の終わり、ハッブルはカリフォルニアのマウントウィルソン天文台で働いていました。彼の仕事は宇宙の遠方にある銀河からの光を観察し、そのスペクトルを分析することでした。スペクトルとは、星や銀河からの光をプリズムを通すようにして分解したもので、その色のバンドがそれぞれの元素に対応しています。

ハッブルは銀河のスペクトルを見て、ある異常に気づきました。多くの銀河のスペクトルが赤くずれしているのです。これは、銀河が赤い方向にシフトしていることを意味し、通常、物体が観測者から離れていくときに見られる現象です。

誤解からの真実

最初、ハッブルはこの「赤方偏移」を見て、「これは何かの間違いに違いない」と考えました。彼は、自分の観測機器がおかしいのではないかと疑い、あるいは自分が何か重要なことを見落としているのではないかと悩みました。でも、他の天文学者たちも同様の現象を報告しており、これが一般的な事実であることが徐々に明らかになってきたのです。

結局、ハッブルはこの現象が宇宙の膨張を示しているという結論に至りました。つまり、銀河が互いに離れていく速度は、それがどれだけ遠くにあるかに比例するということで、これが後に「ハッブルの法則」として知られるようになりました。

天文学的なハプニング

このように、ハッブルの大発見は最初は彼自身の疑念と混乱からスタートしました。彼がスペクトルを誤解釈していたというわけではなく、むしろその誤解が彼をさらなる調査へと推し進めたのです。宇宙の膨張を発見するという歴史的な偉業は、誤解と検証の連続の中で生まれたのです。

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